2017年3月9日木曜日

春にわく

3月1日から始まった氷濤まつりの解体作業は明日がラストとのこと。ようやっと、本当の本当、まつりが終わります。


ソレル/シャイアンレースフルグレイン。カラー:365Sage, Sanguine
今冬大活躍ブーツもやはり、ソレル。カリブーより滑らず、軽い。暖かいし、カッコ良し。

あたたかくなると、どこからか人がわいてきます。虫もわいてきます。
先日、レイクビューの窓に今年初のカメムシも見つけました。春の陽光を浴び、気持ち良さそうに歩いている様子をぼくは微笑ましい気持ちで確認しました。
程なくお客様がレイクビュー席に着席。気づかないといいなあ。注文を終え、提供。程なく、「すいません」の声。
何だろうと本から顔をあげるとお客様がカメムシを指差しました。日本語は、日本人は上っ面の言葉ではなく行間を大事にする民族です。
言葉をはなくとも、お客様が何を言いたいかはもうお分かりですね。

「カメムシいます。嫌です。邪魔です。どけてください。臭くなるなら殺生願います。ここ、飲食店ですよね」

ああ、なんてこった。でも納得もしています。大多数、普通の感覚でしょうから。
ぼくはカメムシの命を救う方法を模索しつつ、臭くならずに捕獲する技ーしかし、ここは信頼を得るためにも迅速に被害を食い止めるべくガムテープを手に取りレイクビュー席へ。君がクモなら救えたのに。

アーメン。
今、この状況で君を守る術をぼくは知らない。
お客様が店に今求めていることから目を背けることなど…


自分の旗を掲げている人は、時間の無駄でしかない、非生産的な問題ごとでいちいち悩まない。見ている先が、目指しているものが、実現したい世界のことでいつでも頭がいっぱいだから。
健全とはまさに。いくら確定申告で苦しもうとも。信念は折れない。

ぼくなんざ、少し手が空くとそれまで息を潜めていた人生への問いが降ってわく。穏やかな陽光にそぐわぬ、冬の支笏のような心向きとなる。
いっそのこと愚鈍になりたい。いや、それは勘弁。対処法は分からなくもないのだ。

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