2013年9月7日土曜日

鈍痛と郷愁

昨夜。
さらさらの鼻水が出てきて気持ち悪いなあと思いながら鼻をかんだ。
すると、今までに聞いたことのない妙音が左耳をつんざいた。衝撃が凄まじかったので鼓膜の破れた音だと直感的に思った。

実際のところ何がどうなっているのかは分からないが、誰に助けを求める時間でもないし、朝を待つしかない。朝になれば土曜日なら病院はやっているようだ。日曜でなくて良かった。
すぐにでも眠りたいのだけれど徐々に鈍痛がひどくなってきたので、今夜は寝られそうにない。

耐えられなくもないけれど耐えがたいという種類の痛みに、僕はある種の懐かしさを覚えていた。


徹夜を決心して、柳田邦夫さんの「零戦燃ゆ1」を読み直し始める。(全五巻)


1は既に読了済みなのだがすっかり記憶が薄れているので2を読むには1からやり直さないと。
この本は良著だ。人間らしいけれど主観によりすぎない複眼視点が混じっていてそのバランスが絶妙。柳田さんの伝えたい、知ってほしいという熱い思いがひしひしと文面から、行間から伝わってくる。記録文学の意義。

ぼんやりと痛みに耐えながら、自然最悪を想定していた。
耳が聞こえなくなったら、どうしよう。
‥何より困るのは君の声が聴こえなくなることだ。
どうしたものか。片耳あればまあいいか、とすぐに思い直した。耳が悪くても書くことはできる。


鼻を強くかみすぎたつもりもない。ただ、夏の終わりの疲れがたまっていて、身体からのクレームが耳から発せられたということだろう。
クレームを受ける前に処理してあげたかったのだけれど間に合わなかった。

【診断結果】
鼓膜が破れたわけではなく、化膿性の「中耳炎」とのこと。
治るには早くて一週間ほど。
・ついでに鼻は「蓄膿症」だとか。昔から鼻の機能性は嗅覚も含め自信がない。
★もらった薬(四日分)
1ペングッド錠:ペニシリン系抗生剤。最近の感染を抑える。
2ロゼオール錠:痛みや炎症を抑える。熱を下げる。痛いときだけでいいとのこと。
3メチスタ錠:副鼻腔炎の膿をとる。痰を出しやすくする。
・三・四日後に再診。

僕、「医薬品登録販売者」資格、持っていたりするのですよ。


ここ数日の自分の身体は体調を崩す三歩、二歩手前にいることは分かっていた。いつも予兆はのどの痛みからやって来る。今回はその後、全身のコリ。寒気。
早めの睡眠を心掛けて身体が壊れないように気を使ってはいたのだが。
ごめんよ、身体。申し訳ない‥。

「身体は道具で、道具は使うもので、使えば壊れる」(新谷暁生)ということを分かってはいても、
カヌーガイドの現場仕事はたいして身体の強くない僕にはいつまでもできるものではないことも分かってはいても、
それらはとどのつまり、分かっているつもりでしかない、直視しないでいた現実だったのかもしれない。

潜在意識下では分かっていて、だから、より刹那主義的に生きているのかもね。

まあ、なんつーか、身体が弱ると心も弱る。

ああ、いつまでも馬鹿やって笑っていたいだけ。
上だけでなく足元も見ないといけないお年頃、なのでしょうか。


「ぼく」はいったい何にしがみついて、何を守ろうと躍起になっているのだろう。
内なる小宇宙と分かり合える日は来るのだろうか。








2 件のコメント:

  1. じょうこう2013年9月8日 16:13

    以前、旭岳の下水処理場に巡回していたとき、中耳炎になりまし
    た。お医者さんは仕事で高所に行くなら鼓膜に穴を開けちゃいま
    しょうか?と恐ろしいことを言ってました。水泳で健康維持と思
    っていたので断りましたけど。身体は強く鍛えることができると
    考えたら特別な道具かもね。おだいじに。

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  2. >じょうこうさん
    お疲れ様です!中耳炎仲間コメントあとんす。
    ぼくは小さいころにも中耳炎は経験済みなのですが、記憶が薄れているからか今回ほど痛くはなかったです。嫌なことは忘れるようになっているのかなあ。

    水泳、いいっすね~。
    鼓膜ももし破れてもほっとけば回復したりするらしいですね。年齢や個人差で修復されないこともあるらしいですが、
    穴を開ければ耳抜きの必要もなくなるということかな。うーむ。人体の不思議展。

    身体を強くするのは地道な継続がモノを言いますが、何年積み重ねていっても一日休めばすぐに崩れてしまいますよね。ヒトの身体も人付き合いも、人の世というものは何事においても不条理で嫌になりますが、メゲズにぎゃんばります。お気遣いあとんす!

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