2013年1月20日日曜日

“棒”ノ嶺(ぼうのみね)で、マルタイ“棒”ラーメンを食す

埼玉県飯能市に、名栗湖(なぐりこ)という人造湖があるそうな。



ここには「カヌー工房」があり、レンタルカヌー体験ができる。
フィールドとしては物足りないが、地元民によると、夜は星がめっちゃきれいだとかうんたらかんたら。

「棒の峯」詳細→【日帰り登山・棒ノ嶺(棒ノ折山)に登る!】(2007年1月情報ですが、特に変わりなし)

丹沢に行こうと思っていたのだが、先日の雪がまだ深く残っているようなので、行き先変更というわけです。

飯能人と、名栗湖南側から少々雪を気にしつつ、「帰りは走って往復三時間」という飯能野生児過去データを頼りに僕らは気軽なハイキング気分で登りだした。

遅咲き気合五分の、11:30スタート。


前半は、名栗湖を目指す水たちに逆らう形で、彼らにより添いながら進む。
夏場は混み合うこともあるらしいが、さすがにオフシーズンとあってひっそりしている。
無酸素登山家・栗城さんの真似や情熱大陸ごっこをする人、シカの鳴き声や雄叫びを上げる人たちを除けば、本当に静かな世界である。

源流部がどうなっているかは、行った人だけの秘密にしておこう。まあ、隠すほどのものでもないのだけれど。


この時期だけのアート作品があっちこっちに出てくるので、なかなか前に進まない。


氷といえば、支笏湖「氷濤まつり」=naokiさんもどうやら無事に帰ってきたようで。怒涛のかのあブログ更新が始まっています。
お帰りなさい。



まわりを見渡すと、この山には人の手が入っている形跡がそこかしこに見受けられる。
飯能人に早速質問をすると、待っていましたとばかりに自信満々でお答えいただいた。自分の住んでいるところを愛する人、愛せる人、誇りや自慢に思っている人は、やはりいいなあ。世の中一般はどうか知らないが、少なくとも僕の周りにはちゃんと基軸を意識をしている人が多く、心から羨ましく思う。

ここいらのスギやヒノキは「西川材」(にしかわざい)と呼ばれていて、かつて、江戸の西の方の川から運ばれていたため、そのような名前になったらしい。
江戸時代に比べたら、勢いは衰えているものの、今でも「西川材」は良材として頑張っている。

なるほど、「西川材」とは江戸が基点として盤石であるから生まれた言葉なんだなあ。
長い年月、中心としての役割を果たす江戸・東京はそのプレッシャーから逃げたいと思ったことはないのだろうか。人ではあるまいし、街が思考するはずがないか。でも、その街をつくり、支えているのは人だ。人の思考だ。何にしても、江戸とか東京というのは、特殊な場所である。僕だけに限らず、多くの人が何かしらの思いを抱く場所。東京という響きにはあらゆる感情がつまっている気がする。アーティストで東京について唄わない人はいない。
僕は東京で生まれた。これから先もずっと、変わらない事実。東京の、何を僕は知った気でいるのだろう。




氷のつるりん階段やらをおっかなびっくり通過していくと、林道大名栗線(登山口から1.8km、山頂まで1.5kmの地点。)に出た。中高年と思われるカラフル集団が東屋でアイゼンを装着していた。

ルートを見上げると、雪、雪、雪。今までは土、岩、沢、氷、ちょい雪程度だったが。
ついに、こいつの出番か。‥いつもより頭の冴えていた僕は先ほど、飯能駅南口山遊人(さんゆうじん)で六本爪アイゼンを買ったばかりなのだ。



「アイゼンをつけるならスパッツを付けた方がいいですよ~」とアドバイスを頂いたが、まあ僕のスーパーパンツなら大丈夫だろう。


先ほどまでの頼りない足元から一変。雪道がこわくない。むしろ、楽しいぞ。ざくざくざく。慣れないので時たま、つんのめりつつ、前を行く団体さんたちが踏み固めてくれた道を快適に進む。


話を聞くと、JTBのツアーだそうで、山岳ガイドの方が案内をしていた。



硬い氷の世界から柔らかい雪の世界へ。



天国への階段。



「木のまわりだけ雪が溶けているのはなんででしょうか?」
インタープリテーションは突然に。

「木の体温は、僕らが吸っている空気とほぼ同じだから。‥」

へー、そうなんだ。気づきもしなかった。同じ世界を歩いていても、何を切り取るかは千差万別。
今日も僕は、自分が何も知らないことを知った。(「深夜特急6」に感化されています)


カヌーの通った後と同じく、いつまでも残らないからいい。と思いつつ、いつまでも残るものを生み出したいとも思う。



「ウサギだね、あっちからきて、ここでジャンプして‥、あ、このちっちゃいのを追いかけていたんだよきっと。で、ここで、‥潜ったね。‥」
当人たちがいないのを良いことに勝手に即興物語をつくりだす。生きているのは僕らだけではないことを、街にいて感じることは難しい。傲慢になるのは自然なことだ。


 小さな仲間たちのサインを発見し、ニタニタ顔。



興奮したのか、飯能人は軽やかなステップで先を走って行きました。


 頂上が見えてきた瞬間には、実際の頂上より、うんと素敵なものがあって、僕は分からないなりに山のことを少し知った気になった。ここで、引き返すのも、また一興だなと思いつつ、足はずんずん勢いづいていくから、思考と足とのちぐはぐっぷりがおかしくて笑った。


頂上には、14時くらいに着いた。のんびり雪道、トータル2時間30分。
風なし、好天。関東平野一望。ここより人の集まる平野は日本にないわけだよね。ずらっと並んだビル群はやはり新宿、か。富士山からも見えたっけな。

標高969m。たいした高さではないけれど、沢あり岩場あり、階段あり、バリエーションに富んだ、飽きさせないルート。


ここには、まだ、誰もいなかった。


ついにお出まし、マルタイ棒ラーメン、とんこつ。チャーシュー×メンマスペシャル。
そこに山があるから‥ではなく、僕はラーメンのために、登っていたのだ。


まずは、神々に捧げよう。


そこいらのラーメンより格段にうまいのだ。



食後はココア。

のんびりしていたら15時過ぎ。

帰りはサクサクと、16:30到着。

 ツアー客以外にすれ違ったのは、五・六組程。中にはNOアイゼンの強者もいました。



【レイヤリングメモ】最高気温7℃ほど。体感、日なたは10℃とあたたか。無風。


・モンベル/ジオラインアンダーウェア薄手
・ホグロフス/なんだっけな(後日訂正)
・スマートウール靴下
・SIRIO/(〃)


・patagonia/キャプリーン1半袖
・モンベル/薄手長袖
・ホグロフス/フリース
・モンベル/ダウン(頂上のみ)

その他
・帽子
・ネックウォーマー
・薄手手袋
・六本爪アイゼン
・手ぬぐい

持っていけば良かったな
・スパッツ



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