2016年3月24日木曜日

パタゴニアンズと背負い投げ


幼き頃、パタゴニアを知る人は今のように多くはなかった。
かつてのナニソレ?が街中に今やファッションとしてまかり通っている。

父も母も、昔からずっと「いいもの」「おいしいもの」「やさしいもの」「楽しいこと」にはお金を惜しまない。
そういう潔さ、素敵だなあ、粋だよなあ、と思う。


都会人はよく歩く。父も母もよく歩く。あほみたいに速い。
小さい頃、あちこち連れ回された。
お決まりのコース、目白。
秘密基地みたいな、昼なのに夜みたいに薄暗いカラファテとセット。


そんなわけで、アウドアメーカーの中で一番付き合いが長いから愛着があって。ただの、にわかじゃないんだぜ、と心のうちで思ってる。


気を張りっぱなしの冬が終わったのだな、と改めて感じる。
必死だったから、物欲なんて吹き飛んでいたもんなあ。

ぼくは経営者ではないけれど、店の実際的なことを全部任せてもらって、経営者ごっこをして、背負う意味がちょっと分かった気でいる。
弱音を吐けない、吐かない。とにかく、何が何でもやり抜くこと。ここぞ、で踏ん張る気概。

冬が終わり、氷濤も終わり、なおきさんが戻ってきた。精神的にも物理的にも。
肩の荷が降りた。降ろした荷がどこかに消えるわけではないこともわかる。

少し漕ぎ始めたら体重が二キロ増えて元通り。
いつ敵に襲われるか分からないカフェという戦場で呑気に飯を喰らう度胸がぼくにはなかったし、つるっぱしをふるうでもないからそこまで食べる必要もなかった。冬は燃費が良かった。

気持ちも体も、季節に合わせて夏に向かっていくんだな。




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