2016年7月4日月曜日

【おひねり制アナログ紙まちゅ★ぴちゅ】水深20m発送開始


北国暮らしは気に入っている。好きだとはやはり言わない。
しかし、心の奥底では染まりたくて馴染みたくて。
ホームの喪失というのは、都会人の闇であり、コンプレックスであるから、自分から出身地を明かすことはしない。一年目は聞かれなくても主張していたのに。
しかし、やはり、生まれは定められ、変わらない。ぼくはどう足掻いても今さら道産子にはなれない。
北海道の人だと思われることも増えた。しかし、まだまだ出身地を問われるのは、ぼくの中の何かがこの国からはみ出ているのをお客さんにかぎ取られてしまっているからだろう。

まあ、東京にいてもAsiaをさまよっても「何者?」とか「そんなテンションで日本人なはずあるか!」と返答に困る質問はどこにいようと、幼き頃より浴び続けてきた。誰と関わっても「あなたみたいな人、初めて。」「今までにいない」「変わってる」?またそれか。ありがとう。飽きた。飽き飽きだ。何がどう飛び出ているのか、逆にぼくが教えてほしいくらいだ。
しかし、不思議にも、飽きているくせに一向に馴れない。身体が強張る。いちいち、複雑な気持ちにさせられる。触れないでくれ。静かにさせてくれ。土足で踏み込むな、せめて靴を脱いで「おじゃまします」の一声をくれ。アイムアジャパニーズ。

面白おかしく返答しつつ、心の内では好奇の目を必死にふりほどいている。ぼくにとって、故郷、土地問題は宗教問題に匹敵…それ以上に最もデリケート極まりない、アイデンティティの根幹に関わる大事大事な話題。
何にも馴染めない、馴染まない、馴染みきれない、馴染み切らない、染まらない、そんな人間も世の中にはいる。

浮いてしまうのはもう、どこにいようと何をしようと仕方がないから受け入れよう。ぼくはきちがいだ。これでどうだ。

余所者魂をなくしてしまうと、その土地の風を受ければ受けるほどに、当たり前が凝り固まり、可能性は狭まり行動力が鈍る。
結果、ぼくはつまらない人間になるのがよく分かったし、どこかに無理があった。
一方向からの風だけではぼくは飛べない。あらゆる方位からの風が必要だ。

自分を好きでいたい。偽ることなく、ごまかすことなく、自身を面白がりたい。

だいぶ、話がそれました。


花のおかげで、言葉を取り戻せた、復活の今号は傑作「千歳川」編を越えた気がする。ヘタクソな文章だが熱がさめないうちに書けたのが嬉しい。
花と恋はよく似ている。
酔いどれに必要なのは酒じゃない。

きちがい野郎を気にしてくれるあなたに。
気にしていたいあなたに。
いつもありがとうの感謝。

今号からは天国にも送らないと。
めぐみさんに届けます。

気になる方、すぐ読ませろ、バックナンバー出せ、という方はご一報。
送りたいときに送りたい人にちんたら贈ります。勝手に送られてもおひねりはいつか徴収されるらしいから気を付けてね。

お問い合わせはこちらまで。
lake.abelake※gmail.com
※を@に変えてね。

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