2015年3月18日水曜日

「冬もカヌーに乗れる幸せ」

氷濤まつり終了から一夜明けたら、水の上。

お客さまは、「おひねり制アナログ季刊紙まちゅ★ぴちゅ」読者様ということで、ぼくも出動。

ドキドキそわそわ、ぼくにとっては初めての大好きな千歳川でのツアーでした。


人生を全うしたサケを見、人生の幕を開けたばかりの稚魚を見、
はて、ぼくらは一体どっち側なのだろう。




天気がいいと唄いたくもなるよね。


サケ、オジロワシ、シカ、ヒト‥春の陽光に生命力が一層輝いておりました。





なんだろう。この川のそばに暮らしてこれた今までに感謝。これからもずっと、ぼくは君のそばにいたい。


2015年3月16日月曜日

氷濤まつり2015はカレーラーメンで閉幕


3月13日の金曜日。
去年の11月20日から始まったまつりが、ようやっと、終わりました。
ほんに、ありがとうございます。

飽きるくらいに濃厚な時間を共に過ごした氷濤マンたちともしばしの別れ。

…ってそこら中にいるやないかーい!

湖畔沿い歩けば氷濤マンに当たる。

ハイペースな日々の中には、事件も不満も笑いも何も、とにかくいろいろありました。
具沢山、頼んでもいないのにご飯までてんこ盛り。
多分、それが氷濤なのでしょう。

無理をさせ続けた身体からの抗議の声に耳を傾けることとします。

さらば、氷濤!!どうにか越えたぞ、いえい!!!

2015年3月11日水曜日

3.11から四年業


去年の今日、ここで紹介した言葉が相変わらずがつんと響くので再び引用。

瀬戸内寂聴さん曰く、 

きょうがもう最後だと思って、きょう食べたいものを食べて、飲みたいものを飲んで、会いたい人に会って、そして読みたい本を読んでください。 

台風も地震も、そして戦争だって、あしたにも始まっちゃうかもしれない、変な時代です。 
そんな不安な時代に本なんか読んでいられるかと思うかもしれませんが、不安な時代だから、明日がないから、きょうは本物の本を読みたいんです。 


『図書』(岩波書店)2014年1月号内、「これまでの100年、これからの100年」講演よ

四年前、ぼくは東京にいた。カブを入手したり、二度目の北上準備をしている頃だった。
確かだと信じきっていた地面か揺れに揺れて、悲しみや痛みが各地で量産される中、カヌーなんかやりに行く場合ではない、どこかもよく分からない支笏湖入りを止めよう、と思った。
地面も原発もぼくも、みんながみんな、ぐわんぐわんだった。

過程に何が起ころうが考えようが、結果として、
誰かの力になれる他にない機会をまるごと捨てて、こうしてぼくは、今も、ここにいる。

3.11。
漏れ続ける放射能と、生命の尊さを唄えなくなったうそつき国家。
何年経とうと変わらない、ぼくの業。

正しさとは何だろう。


ぼくはカヌーが嫌いではないけれど、何というか、非常に憎たらしい。いや、こうなったら嫌いなのかもしれない。
カヌーに載せるのが、コーヒーセットだけならどんなにか素晴らしいことだろう。



2015年3月9日月曜日

中原中也「春宵感懐」



雨が、あがつて、風が吹く。
雲が、流れる、月かくす。
みなさん、今夜は、春の宵。
なまあつたかい、風が吹く。

なんだか、深い、溜息が、
なんだかはるかな、幻想が、
湧くけど、それは、掴めない。
誰にも、それは、語れない。

誰にも、それは、語れない 
ことだけれども、それこそが、
いのちだらうぢゃないですか、 
けれども、それは、示かせない……

かくて、人間、ひとりびとり、
こころで感じて、顔見合せれば 
につこり笑ふといふほどの 
ことして、一生、過ぎるんですねえ


雨が、あがつて、風が吹く。
雲が、流れる、月かくす。
みなさん、今夜は、春の宵。
なまあつたかい、風が吹く。

2015年3月7日土曜日

支笏湖のベストシーズンはいつ?


よく聞かれるよな、と氷濤まつり解体作業の合間にて。



春紅葉って、知ってますか?
秋の紅葉は誰にでも分かりやすいから適当に返事するには最高だけれど、毎日支笏湖にいるぼくらが本当に感動しているのは春なのです。
淡く燃える、あどけない春紅葉。
観光船からもポロピナイからもカヌーからも、どこから見てもそれはそれは素晴らしいようです。

やっぱり、そうなんだね。カヌー馬鹿と目を合わす。

水と空はふたつでひとつ。どこまでが水?どこまでが空?
どこまでも水。どこまでも空。
ゆらゆらゆら、どちらの世界もつないでぼくらはカヌーで浮かんでいるの。ぼくらはカヌーで宙を飛ぶ。深さは高さ。夢が現実。思考が行動。思いが身体。笑顔に愛。君がぼく。
二つの世界をくっつける、なくても誰も死なない乗り物、カヌー。

浮いているの。浮かんでいるの。
どっちでもいいよ、そんなこと。

空と土は自転車。
冬の白と空をくっつけられる乗り物が多分、ボード。








春労働の唄


春を伝える三度目のベタ凪
そびえ立つ恵庭岳がぼくの富士
防寒ツナギは脱ぎ捨て 薄手の夏物へ衣替え
素晴らしきこの景色に皆 目もくれず 好天の中 冬の余韻を片付けていく
終わったまつりに引導を渡せ
冬は終わった 汗をかきかき動き回る
待ち時間には雪玉が飛び交う
妖精は宙を舞い 仲間に手を振る
身体に蓄積された疲労は色濃いはずだのに 笑い声は途絶えることを知らない

夏に向かって 日毎に伸びる日
明るいうちに家路につけるだけで妙に浮き足立ついい大人たち
いそいそとパチンコへ向かう者がある
いつもは呑まないお酒に手を伸ばす者もある
季節は春  酔っ払うなら陽気でnight
大人っていいもんだ

そわそわ ざわざわ 躍っているのか波立っているのか
賑やかな心の舵取りはいつまでたっても上達の兆しがないけれど 心の向かう先は いつも同じ 馬鹿のひとつ覚え そう 馬鹿は学ばない
誰の言葉よりどんな統計より何よりも 己の感度にこそ宿る生命
真実は心だけが知っている


春は平等に皆にやってくるから好きだと壇れいが言う

恵みの春が誰の心にも訪れることを願わん




2015年3月3日火曜日

解体初日


カヌーを漕ぎ、ボードで滑り、束の間の休みはあっけなく終了。
グリーンシーズンには駐車場となる氷濤会場。
氷が自然に解けるまで待っていられないので、本日より解体作業開始。
調子の悪そうな氷濤マンが一人、二人…。

追い立てられるような激動の日々は既に遠い過去。
アドレナリン全開期に比べると皆、まるで別人のよう。

体力だけでなく、心も本気で消耗するのが多分、本当のまつり…なのかもしれません。

さ、最後まで集中せねば。
怪我なく、事故なく、大過なく。