ツアースタート時、曇り。穏やか。
対岸は雨のカーテン。
こっちには来ないでくれよと願いながら、動きの速い黒い雲に怯えていると、ポツリポツリ。
まあ、これくらいなら大丈夫でしょうとSoto Cafe準備をしていると、いよいよ本降り。
威勢のいい雨音を聞きながら飲み物であたたまっていると、あっという間に雨は支笏を抜けていき、空がみるみる明るくなっていく。
‥来るぞ、年に数回、忘れられない雨上がりの巨大スペクタクルショー。
風向きも変わり、弱い波が立った。
雨で冷えきった身体。飲み物の代わりに今度は太陽が僕らをあたためてくれた。
南西方面には「天使のはしご」。頭上には青空。
湖畔沿いの産毛のような草木たちがきらきらと輝き、微かに湖面に反射している。
湖全体が黄緑色になるまで、あとわずか。
新緑のピークは一瞬。あくびをしているうちに通り過ぎてしまう。小さな変化を見逃さないように、春は五感が鋭くなる
紅葉もいいが、北国の淡い新緑が楽しみで仕方がない。
鼻のきかない僕でも、雨上がりの新鮮な空気は嗅ぎ取ることができる。色にしたら、無色。生まれたての擦れていない空気を堪能する。
純度ゼロではこの世界を生きてはいけないことが分かってきた人間には実に染みる。
最後は、かのあサクラの発育チェック。
たった三時間で、いくつもの顔を見せてくれた支笏湖。
僕らに心を許してくれたということでしょうか。はたまた、どんな状況も楽しみ尽くせるかどうかを試していたのかもしれません。
本当のところ、星野道夫さんも言うように、確かに自然は僕らのことなんて気にもとめていないのでしょうが、こんな風に都合の良い解釈を繰り広げては、むふむふと悦に浸る楽しみ方もありですよね。
「前半の雨が嘘みたい」
あの雨が現実だったのか僕にも判別しかねますが、僕らの濡れたお尻は、あの雨が夢ではないことを如実に物語っていましたとさ。
余談ですが、
雨上がりの支笏を漕いだ方は、また支笏湖に戻って来るそうな。
ジンクスというか、方程式というか。不思議な「かのあるある」というやつです。
人も湖も、さまざまな顔を持っています。
それらを知れば知るほど、どの顔が本当か分からなくなり(どの顔もそのときの真実なのですが)、好奇心がうずき、真実を確かめたくなり、気付いた頃には、時すでに遅し。その人なり、湖なりの虜になっているんでしょうね。
好きな人は選べません。人間だもの。好きな湖も川も選べません。だって心に、だって手元に、あるんだもの。探さなくても、あるんだもの。
‥「みつを」ごっこは、「人間だもの」をつけるだけで成り立つらしい。
以下、雨上がりの支笏湖loversとのやさしいじかん。
・【エ・エン・イワの魔法】(2011年8月25日、てやんday)
・【三度目のハイテンションズ】(2012年8月6日、てやんday)
・【四度目のハイテンションズと360度七色スペクタクル】(2012年10月20日)
手ぬぐい王子さん
返信削除お疲れ様です
昨日のお天気は、神様の贈り物って言葉がぴったりだったのですね。
想像してだけで羨ましくなります
支笏湖のサクラが満開になるのは、来週ですかね?
私は再来週に鵡川と十勝川に行きますが、運が良ければ、少しでも北海道の桜を見れるかな?って期待してます。
私は雨上がりに漕がなかったからか、なかなかリピート出来ないですが、そのうちに行きますので、その時はよろしくお願いします。
永松
永松さん
返信削除お疲れ様です!そちらは既に半そdayだとか?
うーん、(水曜)どうでしょう。
晴れ間がどの程度差すか次第ですかね。満開のところも場所によってはあるみたいですが、僕らが狙っているサクラはまだですね~。鵡川・十勝川、再来週だとちと遅いかもしれませんが新緑の美しさは堪能できるのでは?!
永松さんのときはピーカン照りでしたよね。お客様はああいう完全な晴れを狙ってくるんですよ。
何事も捉え方次第ということで、結論としましては、「どんな支笏も美しい!」ですかね。
是非是非、いろいろと魅力的な誘惑が多くてスーパーアクティビストの永松さんはお忙しいとは思いますが、またの再会をnaokiさん共々、楽しみにしておりまっす。