夜中から焼き始めたマフィン屋。
おかげさまで久しぶりのイベント出店無事終了。
主催のヤマグチ様、関係者の皆様、お越しいただいた皆様、冷やかしに来てくれた方も、ありがとうございます。
安いとはいえないパンを全く期待せず、予約分以外にも販売してみたところ、なんと、完売しました。お口にあうことを願います。
イベントに出ない間に、新たなスターが出現していたり、新しいコーヒー屋さんが出てきたりと、めまぐるしい情報量、人のエネルギーにあたった感。
何が良い悪いとかでなく、いろんなスタイル、アピール、手法があります。
↑ありがとう、旧かのな(活気に溢れた元野菜直売所)。4月に取り壊しだそうです。
自らの口で語るよりも、商品に語らせるのが個人的にはカッコ良いな、と改めて私なんぞは思い至りました。
『能あるたかは爪を隠す』とか、
大山倍達曰く
『侍は刀を常に磨いてさやの中におさめておく。抜かない。抜かないところに侍の価値がある。』的な。
「とにかく黙って食ってみろ」と。間違ってもいえませんし、言うべきではありませんが。
カヌーガイドも喋る・伝えることが仕事です。言葉なくして成立しませんが、行間や間合い、沈黙や、ちょっとした動作などが言葉それ自体よりも効果的だったりします。
言葉にすることで冷めてしまうこともあります。感動しているときの人の語彙は、僕もですが、「すごい」「きれい」の二単語に尽きます。
揺れ動く気持ちのすべてを言語化するなんて、不完全な言葉システムで気持ちに追いつくなんてことは不可能であり、言わないほうがいいことも多い。言ったほうがいいことも多いからややこしい。
勿論、状況に応じて解説も必要ですが、
カヌーにおいては、ただ、漕ぐ所作の美しさで自分の世界観を表現したいわけです。
話がそれました。
そう考えたときに、店主のスタイル・スタンスは徹底して貫いているなと身内ながら思うわけです。話術や小手先のやりとりは排除し味で勝負。媚を売りそうに見える(媚顔)のですが、一切売りません。実力勝負。どちらかというと、私のほうがヘラヘラしがちです。マスクのおかげで間抜けな顔が隠れるのは、コロナに感謝すべき事案かもしれません。
普段のお店業務において他所様と比較することもされることもないので、新鮮な、たまには歓迎すべきポジティブな「ストレス」でした。
店舗を持つ人間は店で営業をするので、イベントに出てくる方は少ない。
しかし、イベントでしか出会えないお客様との嬉しいストーリーもあるわけで。
例えば‥
去年の江別エブリのイベントで初めてマフィンを購入したお方との再会、とか。
素材にこだわるとどうしても高価格となります。マフィンもパンも安いとは言えません。しかし、それがいい、と求め、楽しみにしてくれている方がいる。おいしいって言われるのは本当に嬉しいわけで。
たまたま、マフィン屋と出会ったことでパンを焼いたりコーヒーを焙煎したりさせられている私ですが、店がある限り、頑張ろうと思います。