南で生まれ落ちる唄を身体に馴染ませていく内、はたと気が付いてしまった。
そうか。
月は、あるときには、カヌーになるのだ、と。
ぼくが念じたその年に屋号を変えていたのにも、何かやはり、あるのだろう。
月とカヌーの因縁。南と北の同調。空と水。
ゆらゆらと水面を漂うカヌー。空を揺れる月。
「宇宙船カヌー」そんな本もあるけれど。
空を飛ぶのも水に浮かぶのも、同じこと。
歩いているだけでは、陸地にしがみついているだけではたどり着けない境地。
呼び覚まされる感覚。研ぎ澄まされていく。自ずと導かれていく。理由はいらない。付録もない。ただ、残るものだけが在る。
お月さんがカヌーになる夜、カヌーな夜。
何か、あなたの暮らしが変わっていくかもしれない。
守りたい人、変わりたくない人、常識に縛られていたい人は、漕いではいけない時間が多分そこにはあるだろう。
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