びゅんと強い風が一瞬走り、木の葉が風に舞った。
先程まで賑やかにおしゃべりをしていたゲストたちも皆、
風の行方、木の葉が着水するまでの一瞬間を無言で見守った。
ガイドが一生懸命に複数組のゲストをまとめようとする人為的でしかない策略とは、
破壊力もメッセージ性も桁違いであって、それに勝てるはずがぼくらにはないわけで。
ただただ、ぼくがここでやるべきことは、
ゲストとの時間を安全に共有することであり、それ以上でも以下でもなく、
目立とうとか、うまくまとめてやろうとか、これをどう感じてほしいとか、そういったこちら側のくだらないエゴなんて、捨て去った先に、真実が宿るのだろう。
今は水の上を漂う落ち葉も、ぼくらが立ち去ったあとには川底に沈む。
言葉がないほうが、秋は深まる。
一方では、先日購入した詩人「三角みづ紀」さんの詩集『どこにでもあるケーキ』を読んだなら、一気に13歳の自分に巻き戻されて。目を細めながら二度と戻りたくはないけれど、かけがえのない日々を味わった。
言葉の無意味さを水の上で学び、言葉の素晴らしさを机上で学ぶ。
矛盾だらけの日々を、あれもこれも受けとめながら過ごしております。
0 件のコメント:
コメントを投稿