2023年3月27日月曜日

20230324サケトーークatペンネンノルデ~自然と人工のあわい(間)


苫小牧で「紙の街の小さな新聞ひらく」を毎月発行している山田さんは、実はサケオタクだった。
オタクの熱量高ーいお話を聞くのはジャンル問わず、楽しい。
そんなわけで、北海道ソウル・シロザケについて語らう会を静かな湖畔で開催してみました。
 



まずは、
①オスメスの違い、見た目による性差など。
素人には見た目だけでオスメスを判断することが難しい個体も多いそうな。体が小さいオスの生存戦略話もとっても興味深い。隙間産業であります。

②千歳川を遡上してくる後期群(自然産卵する野生魚/12月後半位~)の希少性
・インディアン水車
・現在日本全国の孵化場で放流される稚魚は10億匹。そのうち戻ってくるのは2,3%。
(孵化事業って長い歴史があるはずだけど、効果としてはそんなもんなの??と驚きました、たくさん放流するから餌を奪い合って生存率が低いのもありそうだけど)

③温暖化と漁獲量の推移、人工孵化魚と野生魚の比較
・サケには温度を感知するセンサーがある、そのセンサー通りに動くと‥
野生魚は水温センサーだけで判断しないから帰ってこれるのか?
・海外では人工孵化〈 野生魚 にシフト 
・日本は世界的には遅れている‥?柔軟に対応できないのは‥?


いつかのカヌーで川下り中のホッチャレ。お疲れ様でした。


④サケの歴史、人工孵化の歴史
・サケの歴史は、アイヌや和人の歴史
・千歳には「千歳会所」があり、本店的存在である「勇払会所」へとアイヌを使い運搬させていた。
・和人が押し寄せたことで明治期、野生魚減る→人工孵化事業始まる

⑤アイヌのサケ利用、川と海のサケ比較
・アイヌはかつて川に上がり産卵を終えたサケを食していた
・川のサケは臭み◎、脂質が少ないため保管がしやすい。干したサケは10年(!)持つらしい。




⑥ブランドサケの活用
・例 日高の銀聖 加工品などの展開も

⑦疑問・質問、サケとの思い出話など
・サケをさばく姿を見た母が泣いた
・生まれ育った海の魚を久々に食べたらめちゃくちゃ美味しかったのはアミノ酸?DNAに刻まれているのかもしれない
・モテないメスはいるのか?
・なぜホッチャレに山田さんは会いに行くのか?
→野生魚(全体の5%ほど、千歳川の話だったか、日本全体か)が海の栄養を川に運んでくる、命尽きても、その死は無駄にならず、川、生き物、森の栄養となる。(川の上流部でも海の栄養素が検出されて立証済み)
死ぬのは誰でもこわいが、サケを見ていると生命のつながり、循環を感じられ勇気づけられる。サケにとって、会うことの叶わぬ子どもへのプレゼント。

・なぜ生まれた川へ戻ってこれるのか?
→ニオイだといわれているが、いつからどのあたりから嗅ぎ分けているのかは不明。アミノ酸がポイント?遺伝子に刻まれている?

⑦まとめ サケは自然と人工のあわい(間)の生き物
サケを考えると、自然と人工、歴史や人間の業、あらゆる不都合な真実を考えるきっかけとなりました。
美味しいがゆえに目をつけられたサケ。食べたいがためにとりすぎて、減りすぎたから自らの手で増やそうとして、人間はいつだってやりすぎます。人間の思い通りに増えていかないのは自然なのか必然なのか、非常に興味深いお話でした。

今後、カヌーで千歳川を下るときにサケに遭遇した際の感動はひとしおだろう。彼らに出会ったら、労をねぎらいたいと思います。

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