音楽にこだわりはあまりない。ないおかげで、出会う音楽は、家族・友人・恋人‥感銘を受けた人たちから教わってきた。今年はまた、いろんな音楽を教わっている。
南区にニシクルカフェというお店がある。
「ぽすとかん」という、札幌軟石でできた素敵な建物(元石山郵便局)には「なんせき屋」さんと「ニシクルカフェ」が同居して、素敵な建物は守られつつ現役で営業されている。
それとは別で、知らないうちに僕はニシクルカフェご一行を何度かカヌーに乗せていたらしい。自ら名乗らないあたり、っぽいなと思う。
身バレ後も愉快な常連さんたちと毎年カヌーに乗りに来てくれて、その度面白いから率先して僕が担当して遊んでいる。そばやさん、なんせきやさん、笛、オペラ歌手、ロマンティック担当、先生‥仲間たちの多様性たるやすさまじい。
ニシクルカフェ店主の音楽の趣味はまた一風変わっているようで、どうやら弦楽器や民族的なものが好みなのか。なかなかニッチである。
前回のLIVE↓
冬のはじめの弦の響き~カンテレとギター、ブズーキの夕べ~at ニシクルカフェ
OKIさんなる方は、どうやら「ニシクルカフェ」の命名者であり、ぽすとかんに移転後初のLIVEもOKIさんがしたそうな。かなりゆかりのある方なのですな。ニシクルとはアイヌ語で「雲」の意。
僕も北海道にきたてのころは、アイヌに興味があり自転車に「チルタ」って名付けたり、二風谷に行ったりしていたが、じょじょに、なんとなくクローズドな感じも察して、この頃のアイヌブームで逆に思いっっきり引いてしまった。ちゃんとした人もいるけど、お金に群がる流れもあるようで。
OKIさんは一体どんな人なのか、前回のカンテレLIVE前は結構予習していったが、今回はまっさら状態でLIVEに向かった。
するとそこには、水色のシャツに赤パンツのイケオジがいて、なんとなくアイヌっぽい服で髭面イメージはあったのが、良い意味で覆された。
本人曰く『制服は着たくない。だれでも「っぽく」なるから。』
‥うわ、この人本物だ!!反骨精神、本物だからこそ、できることだなあ。
楽器は樺太アイヌの楽器、トンコリ。OKIさんのはエレキトンコリ。って言っていいのかな?ひとつの楽器で、ソロなのだけど、ベースとメロディがどうやっているのか、出ていて。歴史をなぞるだけでなく、温故知新的で。
僕はこれが初トンコリでしたが、ニシクルカフェ店主やフラワーデコレーションCOMOCOさんたちニッチな音楽通曰く、「OKIさんのトンコリは別物!!!」とのこと。どうやら、えらいものを観ちゃったようです。
支笏湖の美しさを最初に知ってしまうのと一緒ですね。
一曲ごとに、これは「誰それのリズムです」と丁寧に説明をするのが印象的だった。
北海道カルチャーだから、湖やカヌーとかのキーワードも目立つ。僕が耳をそばだてているからか?「SAHARINN ROCK」というサハリンを旅したときの曲もカッコよかった。
演奏の合間には、曲ごとの思い出や、これまでの歩みについてかいつまんで説明もしてくれたり。演歌は、元はロシア民謡から派生しているらしいこととか。
「いろんな歴史がある‥アイヌと樺太、アイヌと和人‥人と人が出会うことで文化は生まれる」とのお言葉に、
今OKIさんの音楽に包まれていることもまさに、人との出会いなくしてはありえず、二重三重にグッときました。
演奏も声も、喋りも最高でした。
最後、アンコールではみんなで声を出して「カヌーを漕ぐ」的アイヌ語を何度も輪唱したのですが、あんなに繰り返したフレーズを帰り道では既に夢うつつ‥
今回も多大なるご厚意に甘え、会場にてマフィン販売をさせてもらい、感謝感謝であります。
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