2014年4月15日火曜日
きれいな「水」はどこにある
昨日の午前中とはうって変わって風の強い支笏であった。
【かのあ】は今週19日からツアーが始まるわけで、土日だけでもいいから優しくしてねと支笏嬢におねだりしつつ、ちまちまと作業。
寒すぎてちょいと【美里】にてコーヒー&期間限定ガトーショコラであったまる。
元氷濤まつり会場である第五駐車場(ツアースタートメイン会場)の氷たちも順調に溶けてきています。
★★★★★★★
女の人が泣いていた。どうやらそれは悲しいのではなく嬉しすぎてどうしようもなくて、泣いているようで。
その方は「ありがとう」を伝えきれずに泣いているようで、
その感謝の気持ちをぼくに伝えようと、しゃくりあげながらどうしたものかと泣いていた。
声を掛けるでもなく、動揺するでもなく、ただただぼくは普通にしていたらきれいであろう女の人の崩れきった泣き顔を見守っていた。
こういうときは黙っているに限る。
彼女は少し落ち着きを取り戻したところで、ぼくに聞いた。
「どこでそんなあたたかいホスピタリティの仕方を学んだのですか?そんなこと今まで生きてきてされたことがありません。あたし、嬉しくって‥」
はて、ぼくはどのような手法でもって、美しい女性を泣かせるほどに喜ばせたのだろうか。
まあ、「こんな夢を見た」。
‥とは、芥川龍之介か。
何とはなしに、ガイドとして、まだ足を踏み入れたことのない世界があることを暗示されたような気がした。
あれこれ無駄な事ばかり考えてあちこちで事件を起こしては、心の内では密かに「ネタが増えた」と喜んでいる自分に染みついている芸人気質にほとほと呆れている暇があったら精進しなさいよと言われたような気がするようなしないような。
夢の中の「ぼく」がどんな素敵なホスピタリティでもって彼女を魅了したのかは全くもって分からないけれど、
きっとお気に入りのコーヒーを鼻歌交じりに淹れたことはほぼ間違いないだろう。
生きているといろいろある。ぼくもいろいろと悩みが尽きない。
どうしたらいいのか分からないことだらけだ。
それでも、だからこそ。
ぼくと一緒にコーヒーでもどうですか。
コーヒーなんか飲んだって何にも変わらない。カヌーを漕いだって、美しい水色に感動したって、そんなことは人生の内のほんの一瞬の夢みたいなものだ。
それでも、だからこそ。
たった一瞬でも、喜びを、笑顔を、あなたと。
たった一杯のコーヒーから紡がれる物語の力をぼくは信じたい。
カヌーもコーヒーも、あなたにもぼくにも、水が必要なんだ。
この地球が美しいのも、水のおかげ。
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