2015年11月15日日曜日

活字の海で溺れたい2 「鎌倉のカフェで君を笑顔にするのが僕の仕事」堀内隆志


雨。ラジオが何やら悲惨な事件だと。
やられたからやり返して繰り返して、人の命が踏みにじられ続ける。

たりないピース。
もう、やめようよ。

暮らしはいつものように平然と、淡々と。
 凪。
松澤家、ヤル気満々の仲良しファミリーたちとツアーへ。

ぼくは今日も店内改造に勤しんだ。
夏の間、ずーっと気になっていた箇所にようやっと着手。
どうでもいいところが気になってしまう。くだらないことにこだわってしまう。大事なことほど、無頓着だったりしないわけでもなかったり。

にこにこ顔で元気に帰ってきたちびっこたちを自家製チョコレートドリンクでお出迎え。
ちびっこたちはぼくら大人と違うから嘘をつかない。
好評であったらしく、すぐになくなった。

自分でつくった料理なりお菓子なり飲み物なりを誉められると、照れ臭くてその場から逃げ出したくなるのは何でだろうか。
素直に笑えばそれで済む話なのだが…、出たがりなのかシャイなのか分からない。嬉しくないわけでは決してない。

長いものにそっぽを向け。反骨精神は誰に教わったんだろ。
分かれ道がある度に人のいない方を選び続けていたらカヌーにぶつかった。


主に総武線で読んだ一冊は自宅の本棚から。
「鎌倉のカフェで君を笑顔にするのが僕の仕事」堀内隆志さん。
サンクチュアリ出版。2014年4月。

素敵なタイトルだから、ぼくが書いたのかと思った。

…「どうしてそんなに自信満々なの」と、どるふぃんが横にいたら間違いなくこうツッコむだろう。

タイトルをお借りするならば、
支笏湖でカヌーを漕ぎながら君を笑顔にするのがぼくの仕事。

フィールドもやり方も違うけれど、もてなすのは同じ。居心地のよい空間を演出する仕事。表現。

カヌーとコーヒーは切っても切れない間柄。
きっと、君とぼくもそうだろう。

おいしいコーヒーが飲みたくて、ぼくはカヌーを漕いでいるのかもしれないと、誰もいない凪いだ湖面で世界一のコーヒーを飲んでいると思う。思うなという方が無理。
そんな、特別なコーヒータイムをツアーにしたい。

白い雪を眺めながらぬくぬくと家で過ごす冬の夜も好きだ。
右手にはコーヒー。左に君のぬくもりを感じながら、それぞれの一日を分け合おう。テレビは消して。唄うような君の声を聞いていたい。

コーヒーとカヌー。水の上から紡がれた物語は終わりそうにない。





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