2015年8月3日月曜日

八月の日曜日に一度も水の上に浮かばないなんて


夏休みの日曜日に、ぼくが水の上に一度も出ない日が来るなんて。
感慨深すぎる。
それが現場至上主義野郎にとって良いことなのか悪いことなのかはさておき。

心配なさるな。かのあ自体は大盛況。
夏前から、春からずっと夏。高鳴る心拍数。
背負うものが増えた。荷物の重さにつぶされかけながら、それだけの荷物を背負わせてくれる信頼の意味。
未熟なぼくをなだめ、諭してくれるまわりの理解ある皆さま。感謝。
やせたと言われる。小さくなった、薄くなったと会う人会う人に言われる。
水の上に浮かび続けて、できることもいつの間にか増えていた。

ツアーを円滑に回していくための事務作業。
なおさんが今まで見えないところでやってくれていた、電話対応。なおきさんが帰ってからやってくれていたメール返信。
ぼくが現場だけに夢中でいれたのは、目の前のお客さんと真っ向から向き合ってこれたのは、舞台を整える二人がいつもいてくれたから。

人の目ではなくパソコン画面と見つめ合う夏も受け入れる。

カヌー運搬、戦争のような受付と精算、メール・電話の予約対応等、Cafeセット準備、出艇手伝い‥
陸地もとても忙しい。あっという間に過ぎ去る。

いってらっしゃいとおかえりを一日五回ずつ。
でも、水の上で生まれるような質の物語はなかなか生まれない。



と思ったらなんだか見覚えのある帽子をかぶったお客さまが笑いかけてきた。去年はぼく?‥もしかして?

やっぱりそうか。その帽子。思い出した。あの日の物語。
読者はひとり。

千歳川に戻る鮭と、ソトカフェにまた帰って来たお客さん。
理屈でなく帰る場所として、千歳川のようで、ぼくもありたい。

今までのぼくがつくりたくて、つくり続けてきた空間は、ちゃんと目の前のその人にも届いているのだと、毎年現れるリピーターさんたちの嬉しそうな笑顔が教えてくれる。
水の上でしか読めない物語はどの文学賞にもノミネートされない、ぼくらだけのとっておき。

去年の物語
→【久々、恋の唄とお口のチャック

止まることのできない日々の中で倒れぬようにとセーブしていたスイッチ、フルスロットル 。

今までにない夏。

皆様、ぼくに会いに来てください。悪いことには致しません。気持ちよくしかさせません、できませんのでご安心あれ。
美しい水の上で、一緒にイキましょうではありませんか。
一作目より二作目、二作目より三作目。続編は駄作というセオリーはぼくと支笏とカヌーには通用致しません。





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