2015年8月18日火曜日
ウィスキーケーキ作りとカヌーガイド業の両立
Which do you like better?
今年最初の秋雨が降り続いた今日。
夏の雨は笑い飛ばせるが、春と秋はそうもいかない。
今がチャンス。
命のケーキを頼もしき助っ人さんたちを抜きにして、初めて完成させた。
やればできるのだなあ。試みることが大事だと、たった三、四日分でしかない本数を焼きあげて思った。
「ひとりでできるもん」?あほか。そこに至るまでの過程を思えばそんな愚かな発言は口が裂けても言えない。
ひとりじゃできないから、いろんな助けを借りたから、「ひとりだけれど、ひとりじゃないもんケーキ」。
何でもそうしてきたが、よく分からないことは、その道の達人に聞くのが近道だ。
ケーキ作りもカヌーガイドも、とてもcreativeな仕事だ。
ただ、異なるのは、意識の向かう先。
内向きか超外向きか。自分だけの世界か、一緒に作り上げる世界か。予定調和か、予定は未定か。大事なのはダンドリか、一瞬のまばゆい感性か。
対極にあるこの二つの作業を同時にこなせる人間なんているのだろうか。聞いたことがない。思い当たりもしない。
どちらかに才のある人間はもう一方の世界では才のない人間となる。
「前例がないならつくればイイ。君が前例になればイイ。」
高校卒業目前に出会った、ぼくの千歩先を行く憧れの人からもらった言葉。
では、ぼくがそうなるより他にないか。
何の因果か、酷くアバウトで予定や約束を守れない人間が、人様に食べてもらうケーキを作り始めた。
アバウトでは許されない。
去年は宮大工さんに学んだことを今年はケーキが口を酸っぱく言ってくるようだ。
予定を立てなければ、ケーキは尽きる。完成図に向かう算段の重要性。
現場に出る人間の気持ちは嫌というほど分かる。
「いってらっしゃい」と見送られ、「おかえりなさい」と迎えられたい。というか、「しろよ、ツアー時間分かっているよね?」と、当たり前ではないのに当たり前な気がしてしまって、どうしても亭主関白モードになりがちだ。現場は偉くもなんともない。いやはや、去年までのぼくに教えてやりたい。勘違いするなよ、水の上なんざ甘い甘い、と。
店は店でやることが多い。自分のペースで作業を進めることができないというのは、苦痛だ。
そう考えると、我が母は、かのあお手伝い期間に素晴らしい働きをしていたのだなあと改めて思う。忙しなくあれこれ動き回っていたが、いつでも、ツアー前後の「いってらっしゃい」と「おかえり」は徹底してやっていた。しかも、何でもないように。
何を大事にしているか。していたいか。
お客さんが感じるのは今年からはツアーだけではないのだ。
店に必要なのは献身的なる包容力。水の上よりずっとホスピタリティが肝となる。
途中、やけにフレンドリーな来客。「店内、だいぶすっきりさせたんすね!」
お?いきなり再会の喜びを込めての握手に戸惑いつつ会話の中から記憶の糸を手繰る。
‥あ、あの日の遅刻な二人、か!
あの日のてやんday→【半そday】
あれこれ背負いすぎてパンクしかけの六月に、水上での喜びを噛みしめさせてくれた方でした。
ふらりと立ち寄ってくれるのはお店があってこそ。
些細なことのようでとっても嬉しい出来事でした。
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