春を伝える三度目のベタ凪
そびえ立つ恵庭岳がぼくの富士
防寒ツナギは脱ぎ捨て 薄手の夏物へ衣替え
素晴らしきこの景色に皆 目もくれず 好天の中 冬の余韻を片付けていく
終わったまつりに引導を渡せ
冬は終わった 汗をかきかき動き回る
待ち時間には雪玉が飛び交う
妖精は宙を舞い 仲間に手を振る
身体に蓄積された疲労は色濃いはずだのに 笑い声は途絶えることを知らない
夏に向かって 日毎に伸びる日
明るいうちに家路につけるだけで妙に浮き足立ついい大人たち
いそいそとパチンコへ向かう者がある
いつもは呑まないお酒に手を伸ばす者もある
季節は春 酔っ払うなら陽気でnight
大人っていいもんだ
そわそわ ざわざわ 躍っているのか波立っているのか
賑やかな心の舵取りはいつまでたっても上達の兆しがないけれど 心の向かう先は いつも同じ 馬鹿のひとつ覚え そう 馬鹿は学ばない
誰の言葉よりどんな統計より何よりも 己の感度にこそ宿る生命
真実は心だけが知っている
春は平等に皆にやってくるから好きだと壇れいが言う
恵みの春が誰の心にも訪れることを願わん
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