2014年8月6日水曜日

広島の日と「いい」ツアー

いつもより深めに、いつもより多めに、呼吸を意識する。

昨日の雨が空気中の不純物をきれいさっぱり洗い流してくれた。

涙や悲しみの黒い雨はもういらないよ。ぼくらは戦争なんてしないよ。



出ました、大好きな雨上がり×ベタ凪コラボ。

「晴れが最高」なんて言っているうちはまだまだなんやで。

やったことはないけれど、FF(ファイナルファンタジー)的色味だよなーといつも思う。


気温のせいか、今年は道内で猛威を振るっている「マイマイガ」が支笏でも大量発生中で、湖畔沿いの木々たちも葉を食われて痛々しいのが目立つ。


午後からは、低く垂れこめていた雲も上がり、とにかく、ひたすら目の前にそびえ立つ樽前山に見とれながら漕ぎました。


毎日ツアーは同じだけれど、
昨日やってうまくいったことが今日もうまくいくとは限らない。ツアーも回転寿司も生モノだ。

フィールド状況は刻一刻と移り変わる。
けれど、実のところ、晴れだろうが雨だろうが、そんなことは「いいツアー」をつくりあげる上で、たいした意味をなさなかったりする。
自然の中でも、やっぱり一番の重要な要素は、あくまで「人」。

今日は午前午後共に、『「いいツアー」だったなあ』と誇張するでも謙遜するでもなく素直に思う。


ん?ぼくの場合の「いいツアー」基準は、ドコにあるのだろう。

「何かをしてもらう」とか、「何かをしてあげる」という一方通行の関係性を超えたところにそれはあるように思う。
一緒に過ごす時間をお互いに大切にできたなら、し合えたなら、
そう感じていることをお互いが言葉にせずともちゃんと伝え合えたなら、そのツアーは「いいツアーだった」と思っていいのかなって。

時間や距離とかいう既成の枠から外れるトリップ感。

時間は平等。ならば、どう向き合うか。
たった二時間半の中に、ぼくはぼくの生命を、お客さんの生命を感じるのです。
生命というのは、つまり、生き方だったり暮らし方であり、姿勢であり、思想であるわけで。

なるだけ丁寧に暮らしていきたい。理想だけでなくできる限り思想は明確に表現しておきたい。



ツアーが終わって、あるお客さんがぼんやりとつぶやいた。

「なんだか、一本の映画を観たみたい。」


「いいツアー」はカヌーの通る跡と同じく、残らない。
報告したって真相は伝わりきらない。もどかしいのがいい。
その場にいた「人」たちだけの秘密ってところが、いやらしくて、とてもいい。

内緒話は水の上でしよう。

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