2013年12月30日月曜日

千歳の「かもめ食堂」と、さがしもの

ぼくの大好きなムーミンといえば‥フィンランド。
フィンランドといえば‥映画、『かもめ食堂』。

同名のお店が千歳にあるというので、行ってみた。

食べログ かもめ食堂


白と水色。シンプル イズ お洒落。

うーん、「っぽい」ではありませんか。


店内はガラスやら鏡やらが大きいのでとっても明るく、子どもたちの笑い声が響く。
全くもって悪くない。
が、しかし、昼に行っても夜のような、ひっそり秘密の隠れ家風味空間が好みのぼくにはちと健全すぎるかな。




カリッと「パングラタン」。スープ、飲み物付きで1000円。

全メニューにもれなくついてくるのは、「北欧気分」。プライスレス。




「おおきなカフェラテ」アート。

左、ぼくには崩れたミッキーにしか見えなかったのだけれど、どうやらウサギだったらしい。



自分の暮らす町のことを、知りたい。
ぼくは千歳川のこと、支笏湖のこと、他の川や湖のことをほんの少し知った気でいるだけ。

知りたいのは、知れば、愛せるから。
愛したいから知りたいのか、知りたいから愛するのか、本当のところはよく分からないけれど、
実のところ、本当のことなんてどうでもよかったりする。

ただ、ぼくは今、この町に住んでいて、それが事実で、それが大事。
どこから来て、どこへ行くのかなんて、興味のないところを評価されたくはない。
だって、今、ぼくは、ここにいる。

あなたは今、どこにいますか?他に行きたいところはありませんか?
もしも、すぐにどこか思い浮かぶのならば、そこへ今すぐ行くべきだとぼくは思います。場所でなくとも人でも、事でも物でも、対象は何でもいい。
行けば偉いのでも、行かずに我慢するのが正解でもなく、上でも下でもなく、すべて同等。
すべては、導かれるかどうか、呼ばれるかどうか、求め、求められるか、縁があるかないか、情熱があるかどうか。
嘘は、足が動くかどうかで分かるだろう。動いている人は口を動かす暇がない。


小樽からの帰り道。
「一週間、何の制限もなく、どこかへ行っていいって言われたらどこに行きたい?」

naokiさんに聞かれて、答えに詰まった。
行きたいところが特にない自分に我ながら驚き、答えに窮して聞き返したなら、naokさんが答えた。

「‥特にないなあ。結局、冬は氷濤やってるのが一番幸せなんだな~。」



‥ハッとした。
いつもニョロニョロのように、「ここではないどこか」を探しさまよっているぼくは今、「ここではないどこか」を欲していなくて、
それはつまり、「ここ」が、いつかの「どこか」だったからかもしれないということに気が付いた。

今、ここより他に好奇心をくすぐる場所が、日本に、地球上に、ひとつも見当たらない。
それがどれだけぼくの浮足立ってばかりの心に平穏をもたらしてくれていることか。

相変わらずお金はないし、執着心も育っていない。まあお金以外は全部持っているつもりでいるけれど、現実問題クルマをどうにかしないといけない。気の置けない仲間や気ちがい家族に愛を伝えるにはちと遠い。けれど、物理的距離を越えるものしかぼくはつくってきていないし、全部ひっくるめて、ぼくは「幸せ」で、
今の暮らし、今の仕事、今の自分、今目の前にあるすべての事柄が気に入っているのだろう。

何事もそうだが‥
初めての冬も、一度きり。味わい尽くそう、死なない程度に。第一印象は裏切らないから特に丁重に。

気付いたら、初めての千歳での12月が明日で終わろうとしている。
















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