2013年9月11日水曜日

雨の足音に耳をすませば

誰もいない夏の終わりの湖畔。初めてのカヌー、仲間、案内人、君とぼく。


愛おしい人の隣。ふっ、目を閉じる。微かに聞こえていた遠くの雨音が次第に大きくなっていく。
二足か三足か四足かは知らないけれど、「雨」がぼくらのところまで早足で近づいてきているようだ。
喋り声が聞こえなくなるほどの賑やかな雨が並々と降り注いだと思ったら、あっという間に「雨」はぼくらをまたいで今度は山の方へと走っていった。


呆気にとられた僕らは目を見合わせたなら大きな声で笑ってみた。

どうやらここでは人気者みたいだね、雨。あっちにこっちに大忙しだ、雨。

ところで、君、寒くない? 

「だいじょーぶ。」

「ふふ。雨男、だーれだ。」


なんてね。
今日も支笏は弱まったり強まったりと、忙しい雨。

「雨が向かってくるところなんてめったに見れないよね~。」

ということで記憶に残る、雨の足音に耳をすませばツアーとなりました。


帰宅後、近所のスーパーで「支笏は雨すごかったですよ~。千歳も降りましたか?」と聞くと、『いんや。晴れではないけれど雨は降らなかったよ~。支笏湖は降ったのかい?』

‥‥ということで、今日もピンポイント支笏湖雨模様。





一枚目の写真もだけれど、 これ、ぼくの大好きな支笏色。雨がより濃く演出してくれていました。

「支笏湖」と一口でいっても、場所によって色は微妙に異なります。その日の天気や風、気分にもよりますしね。
広い湖の中でたったひとつ、お気に入りの自分色を見つけてみてはいかがでしょうか。

所有することはできないし、する必要もない美しすぎる色を心の内に持っているかいないか。
「豊かさ」の指標なんてのがあるならば、それは富とは切り離されたところにこそあるのではないだろうか。

Do you know 自分の好きな色?

たった一言、「青」で片付く色の中に、いくつもの「青」がある。

君の好きな「青」と、僕の好きな「青」を見せ合いっこしないか。


‥漕いでいるとついつい、あっちの世界に行ってしまうのだよ。漕いでなくても、恋でなくても。
‥否、いつでも恋は必須陽光。要項。

ありがとよ、雨。疲れたけれど、笑顔が増えた。


ぼくらが住むこの狂った世界は、ぞっとするほどの美しさに満ち満ちた水の惑星。


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