2013年3月2日土曜日

C.W.ニコル・アファンの森財団設立10周年記念シンポジウム『森から考える日本の未来』

青山学院大学へ。

C.W.ニコル アファンの森財団の事業内容↓
森の再生(トラスト、森林整備、調査研究)、森の普及、震災復興プロジェクト、心の再生etc‥


【プログラム】
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第1部  基調講演 『森から考える日本の未来』  C.W.ニコル
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第2部  リレートーク 『アファンの森から考える森づくり、国づくり』
        第1章 「森をつくるということ~アファンの森から」
              C.W.ニコル、松木信義、高槻成紀
        第2章 「日本をつくるということ~震災復興にむけて」
              C.W.ニコル、畠山信、佐藤伸寿、風見正三


僕が四国でふらつくことなく一直線で東京に向かったのは、ニコルさんに会うため。




東京環境工科専門学校在学中、黒姫で一度、ニコルさんの話を聞いた。
もっと前の先輩たちの中には黒姫実習中、毎晩ニコルさんと酒を酌み交わした人たちもいるらしいが、僕の時には、入学式と卒業式と黒姫の、計三回だけだった。

それまでにニコルさんの本を読んだことはあったけれど、たった一度の黒姫で、僕はニコルさんに惚れた。大人は嫌いだったが、この人は違うと思った。

多くの大人は、「立ち止まるな」とケツを叩くばかりだが、ニコルさんは違った。「迷え、悩め、立ち止まれ。うまいウサギ料理をご馳走するからいつでも黒姫に来なさい」、そんなことを言ってくれたように記憶している。



懐かしの「松木のじっちゃん」も健在!



・集中力や我慢のできない人が増えた。
空気、水、食が原因かと思ってきたが、実は原因は自然であることがアメリカやドイツなどの研究で明らかになっている。
12歳頃までに、自然の中での経験がないと、脳の発達がおかしくなるそうで、それを「自然欠乏症候群」と呼ぶらしい。

・僕は表面ではなく中を見る。山を歩けば、ここにはクマはいるかな?川を見れば、ここにはどんな魚がいるかな?

・昔は教えなくても誰もが身につけていた生きる技術。今は教えないといけなくなった。火の起こし方、ナタの使い方、米の炊き方‥。川の音でそこが泳げるか否か判断できたり。だから、学校を作ることにエネルギーを注いだ。

・鉄より木造がこれから世界的に見直される時代になる。鉄は火に弱い。

etc


第2章 「日本をつくるということ~震災復興にむけて」

登壇者のひとり、気仙沼のNPO法人森は海の恋人副理事長・畠山信さんも、環境工科専門学校卒業生。

人工物では命は守れない。だのに、コンクリ好き国家はとことん頑なだ。

畠山さんによると‥
現在、気仙沼等の被災地だけでなく、日本全国の海岸線に高さ14.7m、厚さ100mの化け物みたいな防潮堤をつくろうという動きになっているらしい。海の中にも湧き水が流れている。地下水が流れなくなったら水産業はアウト。馬鹿みたいな本当の話。
「防潮堤をつくらないと他の予算もつきませんよ?」など、各地の説明会などではでたらめな説得も。知識のない人は従うしかない。地元住民のモチベーションは下がってきている。

原発も何もかも、やはり根本は一緒だ。

2011.3.11から丸二年を目前に控え、あの日を風化させることなく、真正面から向き合い続けている大人たちの話を聞くことができた。ここに来て良かった。



ニコルさんは言う。

大切なのは、
1、すべての生物の治安、安全
2、健康、心
3、美

だと。

ニコルさんは問う。

僕らは、どこに行きたいの?

醜い危険な国に住みたくはない。日本人はもっと声を出して。言論の自由もあるのだから。

今の方向では30年以内に戦争が起こる。

やめよう。一緒に夢を追いかけよう。

人間が自然を無視したら滅びます。


興味深い動きとしては、宮城・東松島で「復興の森づくりと森の学校プロジェクト」という、日本初の森の学校実現に向けての取り組みがはじまっているとのこと。

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